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東京ディズニーランドを嫌う

ディズニーランドは並の企業だったようです。一流企業の一流たる所以は卓越した企業姿勢や危機管理が発揮されたときに再認識できるのですが、今回の事故後の対応には大いに失望し、嫌悪感すらあります。

山車の飾り落下、TDL初の事故・パレード中、けが人なし

8日午後220分ごろ、千葉県浦安市の東京ディズニーランド(TDL)のシンデレラ城近くで、パレード中の山車の鉄製支柱が折れ、惑星をかたどった飾りが地面に落下した。見物客やパレード出演者にけがはなかった。浦安署が実況見分し、原因を調べている。運営会社のオリエンタルランドによると、アトラクションやパレードの山車など園内の破損落下事故は、1983年の開園以来初めて。パレードは「ディズニー・ドリームス・オン・パレード“ムービン・オン”」で、開始から約20分後に事故が発生。数メートルの鉄製支柱(直径約14センチ)で支えている繊維強化プラスチック製の飾り(幅約2.5メートル)が支柱ごと突然折れた。落下した飾りは支柱も含めて重さ約300キロあった。山車は2003年製。飾りや支柱は昨年10月、年1回の定期点検で異常はなかったという。パレードは、落下した飾りを片付けた後に再開した。〔共同〕 (20:42)

問題は最後の部分、「パレードは、落下した飾りを片付けた後に再開した」とは一体どうしたことでしょうか?例えば、菓子パンに針でも入っていたら店頭から全品を回収して検査や廃棄をするでしょうし、日付ラベルを貼り間違えただけでも回収する。一方、テレビでの報道を見る限り、今回は落下地点にたまたま人がいなかっただけであり、死者が出なかったのは偶然に過ぎない。それだけでも自粛してしかるべき。ましてや原因が特定できていなければ、他の危険も潜在している可能性を否定できないのだから少なくてもパレードは中止すべきでしょう。某社のエレベーターだって全国でそうしたではありませんか?反省の姿勢はもちろん危機管理という意識がまったく見えてこない。(ヘリコプターからの映像で、倉庫に収まった落下物を取り巻く社員らしき数名がニヤニヤ笑っていたのも実に不愉快でした。)

以下は同社サイトからの引用です。

パレード公演中の装飾物落下について

本日1420頃、東京ディズニーランドにおいて、お昼のパレード「ディズニー・ドリームス・オン・パレード"ムービン・オン"」の公演中に、1台のフロート(山車)の装飾物が落下しましたのでお知らせいたします。

<当時の状況について>

1.発生日時 200818日(火) 1420

2.発生場所 東京ディズニーランド パレードルート

3.発生状況 フロートの装飾物の支柱が折損し、支柱および星をかたどった装飾物が地面に落下

4.落下した装飾物 長さ約3m、幅約2.5m(支柱部分含む)

5.怪我人等 ゲスト、出演者ともに無し

6.発生原因 調査中

ゲストの皆さまには大変ご迷惑をおかけしたことを、ここに深くお詫び申し上げます。弊社といたしましては、今後このようなことが無い様、この度の原因を究明するとともに再発防止に向け最善を尽くして参ります。

やはり、発生原因を「調査中」で特定できないのであれば、「再発防止に向け最善を尽くして参ります」とは、原因が特定できるまでは閉園して調べる、ということではないでしょうか?

顧客対応という点で世界最高水準にあると同社を見ていたからこその失望感や嫌悪感なのでしょう。でもよく考えれば、同社のマニュアルとそれにもどづく社員教育が最高水準なのであって、マニュアルに無いような事態が発生すれば、現場は混乱し、「並」かそれ以下の対応に終始してしまうのかもしれませんね。(それにしてもパレード再開後に「ゲスト、出演者」はどんな気持ちで「夢と魔法の王国」にいたのでしょうか?ミッキーが魔法で救ったとでも・・?)

[追記] このブログが効いたわけではないのでしょうが、今日9日にこんな記事が出ました。

TDLがパレードを中止 事故を受け山車を点検 2008.1.9 11:51

千葉県浦安市の東京ディズニーランド(TDL)のパレード中に「フロート」と呼ばれる山車の鉄柱が折れた事故で、運営会社のオリエンタルランドは9日、同日に予定していた昼と夜2回のパレードの中止を決定した。(後略)

遅い!

これではやはり並の企業です。危機を転じて一流の証しを示して欲しかった。原因が特定されて十分な対策が施されるまで全世界で休業した結果、第1四半期は赤字転落、、なんて美しいですよね。

それにしてもこのブログへのアクセスがこの記事のおかげで急増しています。ただ、「ワンクリック」一見さんがほとんどで、「谷地健吾」「メンタフダイヤリー」「ジャズ・ミュージシャン」からアクセスした方とは違って、他の記事には目も通してくれていないようです。それはそれで健全なことかもしれません。

[追記-2] これは酷い!

12日パレード再開へ(共同通信)
東京ディズニーランドを運営するオリエンタルランドは11日、パレードの山車の鉄製支柱が折れ、重さ約300キロの飾りが落下した事故を受け9日から中止していたパレードを、12日に再開することを決めた。同社は事故発生翌日から、パレードに使用される山車計46台の一斉点検を開始。金属疲労などが起きていないかを調べ、異常がなかった山車を使用するという。事故の原因については調査中としている。
事故の原因が特定できていないのに何故点検で異常がないと判断できるのか全く理解できません。品質管理に少しでも関わったことがあればこんなことは当たり前過ぎて指摘するまでもないことです。
通例ですと、同じような事故が再発→硬直した組織が背景と調査委員会が指摘→社長が責任を取って辞任、、、となりますが今回はどう展開することでしょう。実はどうでもいいんですけど。

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コメント

かつて東京ディズニーランドで安全管理責任者をしていたという方が、以下のような発言をされています。
http://plaza.rakuten.co.jp/siminnokai/diary/200801090000/

これについて、Yahoo!知恵袋でも意見交換がされておりますが、上記の発言をした方による荒らし行為が行われています。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1214241347

このような思考のスタッフが現在のTDLにいなければいいのですが・・・・

ぴっけるさん
コメントとリンクありがとうございました。
この「安全管理責任者をしていたという方」のブログを読みました。他の記事を含め、論理構成や事例の解釈などには他人からの指摘を享受すべき甘さが見られますが、自分の言葉で丁寧に書いている点には好感持てました。ただ、この方の考え方の延長で考えても、やはり原因が特定されるまで類似の設備を用いるパレードは中止すべきで、再発すれば今度は経営責任が問われます。
ところで、「荒らし行為」とは「帰依」を指摘されたことを指すのでしょうか?(あの文章のあの部分を漢字二文字で埋めるのは難しいですね。「依存」も文意にあわないと思いますよ。敢えて入れれば「起因」でしょうか。)

この事故を新聞で読んだ時に、瞬間的に考えたのは 死者が出なかったのは偶然であって・・・ということでした。 ハインリッヒの原則 ですが、こういう事故の背景には根深い構造的な問題があるのでしょうね。 TDLってのは従来は大好きで、(お酒を禁止したり、ゴミがなかったり・・・そうした徹底が好きでした) この事件とそれの対応は 裏切られました・・・・・・

Amiciziaさん
はやり死者が出なかったのは偶然ですよね。氷山の一角、もその通りです。FMEAなんかやっても想像力が及ばなくなっているので、山車の一部が倒れるなんて「故障モード」としては出てこないのでしょう。そして、裏切られた、、との思いを日本中が覆っていることにも想像力が及ばなくなっているのかもしれませんね。

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